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教えて!歯医者さん

皆さんこんにちは!中里デンタルクリニック.アシスタントの石橋です。 今年も残すところあとわずかとなりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。 今回は、治療を受けた後になって湧いてくる不安。歯科医院に対する本音の不安。そんな本音の質問にお答えします。 【Question】 新型コロナの感染が怖くてもう1年以上歯医者に行っていません。歯周病の治療中だったけど、前以上に歯をきちんと磨くようになったから大丈夫よね。悪化した感じもしないし。(40代・女性) 【Answer】 治療の中断期間が長くなるほど、歯周病が悪化したり再発する可能性が高まります。病状が落ち着いた後のメインテナンスも治療の一環ですので、継続的にご来院を。受診を控えたい気持ちはわかりますが、歯科受診は「不要不急」ではないんですよ。 〈解説〉 新型コロナを取り巻く状況は依然緊迫しており、「感染が怖い」と受診をためらっている方も多いことでしょう。5月に発表されたサンスターの「新型コロナウイルスの流行による生活習慣の変化に関する調査」によれば、歯科医院への通院頻度は全体平均で21%減少していました。「いつも以上に歯をきちんと磨くようになったから、歯医者に行かなくても大丈夫」と思う方もいるかもしれません。しかし、歯周病になっている患者さんは、治療の中断期間が長いほど、病気が悪化・再発する可能性が高くなります。歯周病の原因は細菌の塊であるプラークです。歯に付着する乳白色のネバネバした物質で、歯周病菌などの細菌が大量に生息しています。プラークが歯に残っていると、そこから歯周病が再発します。歯周病になっていた歯は、歯茎が下がり気味だったり、歯と歯の間に大きな隙間が空いていたりと、健康な歯に比べプラークが溜まりやすい形をしています。こうした場所についたプラークを患者さんが自力で取り除くのは至難の業です。そしてさらに厄介なことに、歯周病は自覚症状がほとんどないまま静かに進行します。喫煙者の方や糖尿病になっている方は、歯周病が悪化しやすくなります。ストレスも体の免疫を弱めまますので、歯周病を悪化させる要因です。また。マスクをするとお口をあまり動かさなくなるため、お口の中が乾燥して唾液の分泌量が減ります。その毛か、お口の自浄作用が低下し、歯周病菌などの細菌が増殖・繁殖しやすくなります。歯科での歯周病治療では、患者さんのセルフケアでは取りきれないプラークや歯石を、専用の器具で徹底的に清掃します。メスで歯茎を切開し、歯周ポケットの奥に溜まったプラークをこそげ取る治療もあります。治療により病状が落ち着いたら、再発予防のために3〜4ヶ月に1回の定期受診(メインテナンス)をお願いしますが、これも治療の一環です。歯周病が進行して。歯茎や顎の骨の破壊が広がると、どんな治療をしても元に戻すことは難しくなります。そして最後には歯がポロリと抜けてしまいます。こうならないために、メインテナンスに通って治療を中断しないことが大切なのです。感染を心配し、受診を控えたいお気持ちはわかります。ただ、歯科では昔から厳格な感染対策が義務付けられてきました。感染対策はエイズウイルスが見つかった1983年以降からさらに強化され、コロナ渦で一層徹底されています。院内の3密対策、歯科医療者のマスク。フェイスシールドの着用はもちろん、ドリルやピンセットなど、患者さんのお口に入る器具は使用後に毎回高圧蒸気滅菌器に入れ、完全に無毒化します。また、飛沫や歯の削りかすを吸引するためにお口の中にバキュームという装置を入れますが、最近はそれに加えて口腔外バキュームを導入している医院も増えています。こうした点を理解してもらえたら嬉しいです。