「むし歯は減った」と言うけれど、それって本当…?

みなさんこんにちは!歯科衛生士の木村です。そろそろ夏も終わりに近づいてきましたね。気温差で体調を崩しやす時期に入ってきますので、お身体には気をつけてくださいね。

さて、「むし歯になる人が減っている」というお話、耳にしたことはないでしょうか。

これはある面では事実で、子どものむし歯は年ごとに減っています。

1993年〜2016年の期間での見てみると、5〜9歳では約35%→約8%、10歳〜14歳では約85%→約20%、15歳〜19歳では約95%→約45%と激減しています。

〈理由〉

①砂糖を摂る量が減ったこと

昔と違い、いまは無糖の緑茶や麦茶、水が自動販売機でよく売られていますよね。私が子どものころは無糖の飲み物などはほぼ売っておらず、甘いジュースや炭酸飲料ばかり並んでいました。

②フッ素(フッ化物)配合の歯みがき剤の普及

日本の砂糖消費量は第二次世界大戦後にも少ない時期がありましたが、いまはそのとき以上にむし歯が減っています。歯科医院でのフッ素塗布や、学校などでのフッ素洗口が広まっているのもひと役買っているでしょう。歯みがきを1日2回以上する人が昔より増えているのも影響していると思われます。

子どものむし歯の減少は喜ばしいことですが、一方で深刻な事態が起きています。「高齢者のむし歯」が増加しているのです。同じく1993年〜2016年の期間での見てみると、65歳〜74歳では約65%→約95%、75歳〜84歳では約55%→約85%、85歳以上では約40%→約70%に増加しています。

むし歯になっている高齢者は、減るどころかどんどん増加しています。歯を多く残せているかたが増えたおかげでもありますが、そうしたかたたちをいま苦しめているのが「根面のむし歯」(根面う蝕)です。

加齢や歯周病により歯ぐきが下がると、いままで歯ぐきに隠れていた歯の根面が露出します。セメント質や象牙質でできた歯の根面は酸に弱いため、むし歯になりやすく、進行も速いのです。

根面のむし歯を予防するには、間食は時間を決めて取る、歯ブラシを根面にしっかり当てる(歯ぐきが下がってきた部分には歯ブラシを当てるのを忘れがちです)、フロスや歯間ブラシで歯と歯のあいだを清掃することにくわえ、フッ素配合歯みがき剤の利用と定期的な歯科受診が欠かせません。歯には歯ブラシだけでは落とせない汚れもあります。その汚れはむし歯や歯周病の元になってしまいますので、定期的に歯科医院でメインテナンスすることが非常に大切です。人生100年時代、毎日おいしく食べるためにも、根面のむし歯に御用心を!