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シーラントと賢く付き合うポイントについて

みなさん、こんにちは。中里デンタルクリニック.です。   今日は前回に続いて、シーラントと賢く付き合うポイントについてお話ししていきます。   奥歯の溝にシーラントを入れてもらったら、「あとは放ったらかしで大丈夫」とはいきません。 シーラントを入れてもらったら次の3つに気をつけていく必要があります。   1、「入れて終わり」ではありません。   歯の詰め物を入れた時と同じように、その後の経過を診てもらう必要があります。 シーラントは、噛んでいるうちに一部が剥がれ落ちて、歯の表面との境目にごく微細な段差ができることがあります。この微細な段差は最近のすみかとなり、そのままだとプラークがたまってそこから虫歯になってしまうこともあります。ですから、シーラントを入れたあとは、その後の状態を歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。剥がれ落ちた部分は、削って段差を無くしたり、シーラントを補充したりします。 定期受診の際に、シーラントを入れた部分も見てもらうのが一番いいと思います。     2、第二大臼歯にもシーラントを!   6歳ごろに第一大臼歯にシーラントを入れてもらってひと安心。しかしそのあとに忘れられがちなのが、第二大臼歯の存在です。 第二大臼歯は、個人差がありますが小学校6年生〜中学校1、2年生の頃に生えてきます。この第二大臼歯にも深い溝があることが多く、シーラントが必要なことがあるのです。 ところが、中学生になると歯科受診が極端に減ります。中学校に入ると部活や塾で忙しくなるからです。この時期を「魔の中学二年生」と呼んでいます。それまで虫歯がなかった子が、中学三年生の夏休みで部活を引退して来院したときに、「あらら、虫歯が!」となってしまうのです。 ぜひこの時期も定期的に受診して、必要なら第二大臼歯にもシーラントを入れてもらってくださいね。     3、シーラントに過信は禁物!   シーラントで奥歯の溝を詰めたから「虫歯予防はもう大丈夫」と思ってしまうのもよくある勘違いです。虫歯は噛み合わせ面にだけできるものではありません。歯と歯のあいだ(隣接面)にできる虫歯も非常に多いです。 シーラントはあくまで「奥歯の溝」に対する予防処置で、歯と歯のあいだには効果がありません。ですから、定期的に歯科を受診してもらって、専門家の目やレントゲン(エックス線撮影)チェックしてもらう必要があります。 シーラントは「予防の万能選手」ではないのです。 歯と歯のあいだの清掃には、デンタルフロスを使うとよろしいでしょう。   ここでフッ素とシーラントの最強コンビについてお話ししていきたいと思います。 シーラントは奥歯の溝を塞いで物理的に虫歯を予防するものの、それ以外の部分には効果がありません。一方、歯みがき剤などに含まれるフッ素(フッ化物)は歯の表面全体に効果を及ぼすものの、奥歯の溝の中には届きません。   フッ素とシーラント、この2つを併用すると、カバーできない部分を互いに補い合って、予防効果が高まります。   18年連続で日本一子ども(12歳児)の虫歯が少ない県(学校保健統計調査より)である新潟県でも、「フッ素洗口とシーラント」を予防の柱としています。フッ素とシーラントの組み合わせは、子供の虫歯予防のベストパートナーと言えるでしょう。