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歯周病と糖尿病の関係について

皆さんこんにちは、中里デンタルクリニック.です。   今日は歯周病と糖尿病の関係についてお話ししていきます。   近頃、歯周病と全身の疾患についての関係が取り上げられてきています。歯周病と心臓病や歯周病(お口の清掃不良)と誤嚥性肺炎などです。そして最近特に注目されているのが、歯周病と糖尿病の関係についてです。お口の健康と体の健康は実は切っても切れない関係にあります。一見似ても似つかぬ歯周病と糖尿病は、実はとっても気が合うお友達で、「炎症兄弟」と言われています。しかもこの2人は火遊びが大好きなのです。   歯周病はお口のなかだけの病気というのは、実は大きな誤解です。歯周病は「炎症」を通して、からだ全体に悪影響を与えます。 炎症とは、からだの中で起きる”火事”のことです。からだの”火事”には、インフルエンザや肺炎など高熱が出る大きな火事と、歯周病のように歯のまわりで”ぼや”がくすぶる小さな火事の2種類があります。   疲れたとき、歯ぐきが腫れて歯が浮くような感じがしたことはないでしょうか?あれがまさに炎症です。お口の清掃が不十分だと、歯と歯ぐきの間にバイ菌の塊(プラーク)がこびりつきます。すると、このバイ菌と免疫軍団との間で戦争が起こり、結果として歯ぐきが腫れて出血します。   ミクロなレベルで見れば激しい戦闘なのですが、からだ全体から見れば小さなボヤに過ぎません。歯周病がひどくても熱が出ない理由です。   でも、このボヤで出てくる”煙”が大のくせものです。歯周病による炎症は、周囲に「サイトカイン」という煙=悪玉ホルモンをたっぷり吐き出します。これは血糖値を下げるただひとつのホルモンであるインスリンの邪魔をして、血糖値をあげてしまうのです。   実は糖尿病患者さんのお腹のなかでも、あぶらを貯めすぎた悪玉脂肪細胞を、免疫軍団が悪玉と勘違いして攻撃することで、炎症が起きて血糖値が上がります。それと同じことが歯周病でも起こるわけです。   歯周病と糖尿病は、炎症という契りを交わした”義兄弟”なのです。   では、歯周病の方で糖尿病も患っている場合、もうどうしようもないのか?というとそうでもありません。実は糖尿病の方で歯周病も患っている場合、歯周病の治療をしたことで血糖値の数値が大幅に改善されたという研究報告もあります。これは上記の炎症理由を読んでいらっしゃれば、なぜそのようなことが起こるのかについてお分かりになられるかと思います。ですから、糖尿病を患われている方は積極的に歯科を受診してお口の中の検査を受け、歯周病であれば是非とも歯みがき指導を受けることと、歯周病の治療を受けて、歯周病と糖尿病の安定をはかっていかれると良いと思います。