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いまどき話題の歯みがき剤は?

皆さんこんにちは、中里デンタルクリニック.です。   今日はいまどきの歯みがき剤についてお話ししていきます。   歯みがき剤にフッ素が入っているのはもはや当たり前の時代になりました。フッ素+殺菌剤配合の製品もだいぶ普及している現在はさらなる高機能歯みがき剤の開発が進んで最近では、再石灰化成分まで加わった製品など画期的な歯科専売品も誕生しています。ご紹介していきます。   いまや歯みがき剤にフッ素は当たり前とはいえフッ素は、ただ配合されていればよいというものではありません。歯にしっかり機能してむし歯予防に役立ってくれなければ困るわけで、口の中に残った少ないフッ素をいかにより効果的に働かせるかは、歯みがき剤の開発者にとって、永遠のテーマであり続けています。   フッ素は、カルシウムとたいへんくっ付きやすい性質を持っています。例えば、歯みがき剤のフッ素が、歯に作用する前に、唾液のなかのカルシウム(唾液のなかには歯の再石灰化に使われるカルシウムがたっぷり溶け込んでいます)とくっ付いてしまったらどうでしょう。肝心の歯に作用しなくなってしまうので、これでは困りますよね。   このように、フッ素の配合ひとつとっても重要な研究テーマですが、これに殺菌剤を加え、さらに他の有効成分も加えて、それらの成分が相殺し合わずにしっかり働く歯みがき剤を作るには、実はたいへんな努力と工夫が重ねられています。   さて、そうした開発者の苦労が実って製品化にこぎ着けた、最近話題の高機能歯みがき剤をご紹介いたします。   それは、フッ素+殺菌剤に加えて、再石灰化成分(リン酸とカルシウム)が配合された歯みがき剤です。歯の再石灰化、つまり補修に使われる成分が口のなかにタップリと供給されれば、初期むし歯の治療や予防にとてもよさそうです。 ただ気になるのが、先ほど言ったように、フッ素と再石灰化成分をいっしょにして、それでもこれらの成分は働くのだろうか、ってことです。そこである研究所が牛の歯を使って実験してみたところ、それぞれがちゃんと機能して効果を上げることがわかりました。   もう一つは、中高年のかたに多い「根面う蝕」の予防をターゲットにした製品です。歯ぐきが下がって剥き出しになった象牙質は、むし歯になりやすく、進行もしやすい要注意箇所で、中高年層のむし歯予防のなかでも重要なテーマになっています。 この製品はフッ素のほかにコラーゲンの保持を目的とした有効成分PCAが入っています。フッ素はエナメル質はもちろん、象牙質にも効きますが、象牙質にはコラーゲンも含まれるため、このコラーゲンの抵抗性もあげて象牙質を守ろうというわけです。   コラーゲンは、むし歯菌の出す酸や酵素に弱く、これが失われると象牙質がもろくなってしまいます。そこで、歯の結晶ばかりを守ろうとしていたこれまでの研究から、コラーゲンもいっしょに守って壊れにくくしようという発想の転換が面白いですよね。新機軸の歯みがき剤、中高年のかたにおすすめです。   ご自身のお口に合わせた歯みがき剤を知りたい方は、ぜひ歯科衛生士までご相談くださいませ!