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予防の基本はプラーク除去と歯みがき剤で!

皆さんこんにちは!中里デンタルクリニック. です。   今日は、「むし歯予防の基本はプラーク除去と歯みがき剤」についてお話ししていきます。   前回でも少しお話ししましたが、昔の歯みがき粉から現在の歯みがき剤に変わってから、殺菌成分やフッ素が入るようになったことで、むし歯への罹患率が昔より少なくなってきました。これは日本だけで起きたのではありません。フッ素入りの歯みがき剤が普及しはじめた頃、多くの国々で同様の変化が起こっていることを考えると、フッ素入り歯みがき剤のむし歯予防への貢献の大きさが伺えると思います。   しかし、だからと言って、これを使いさえすれば歯みがきはどうでもよいと思われるとちょっと困ります。 歯みがきが雑でも、使わないよりは使ったほうがいいのですが、配合成分のポテンシャルを十分に引き出すには、やはり歯みがきは大事だからです。   むし歯とは、プラーク(歯垢)に棲む虫歯菌の出した酸がプラークの中に溜まり、それに触れた歯が溶けることによって始まります。プラークが口の中に堆積していて酸がタップリあると、フッ素の働きでは間に合いませんし、プラークが歯を始終ベッタリと覆っていては、肝心のフッ素が歯に十分届きません。   また、殺菌剤についても同様です。プラークが分厚く堆積してしまうと、効果を発揮できません。というのも、プラークを放置すると、一日ほどで熟成し、強固な膜(排水口のベタベタみたいなもの)ができ上がります。虫歯菌はこの丈夫な膜で自分たちを守るので、殺菌剤といえども、なかに浸透して虫歯菌をやっつけることは、非常に難しくなるからです。   口の中に入れるものだけに、歯みがき剤に入れられる殺菌剤の濃度や種類には制約があり(排水口のように強い薬を流し込むわけにはいきませんので)、それだけに効果は限定的になってしまいます。   そこで重要なのが歯みがきです。プラークが熟成して丈夫な膜を作り歯にベッタリと張り付くまでには18時間ほどかかります。少なくとも一日に一度は歯ブラシでこすって、プラークを壊し、除去する必要があります。 歯を覆っているプラークの膜を破壊して取り除き、成分を歯に届かせることができると、歯みがき剤のもつ力がより効果的に発揮されます。   統計では、日本人の70%以上が朝晩2回歯みがきをしていて、また歯みがきタイムも他の先進国に比べて長いことがわかっています。歯みがき剤を上手に使い、歯みがきに勤勉な国民性を活かして、むし歯予防をさらに一歩、二歩と進めていきたいものですね。