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歯磨き剤について

こんにちは、中里デンタルクリニック.です。   今日は歯磨き剤についてお話ししていきます。   皆さんは歯磨き剤をたっぷり使っていますか? かつては「歯みがきのジャマをするから」とカラみがきが推奨されていた時代もありました。まだ歯みがき剤にフッ素などの有効成分が配合されておらず、香味や発泡剤も強かった頃の話です。 そんな歯みがき剤も、いまや虫歯予防に欠かせない必須アイテムとなっています。虫歯予防効果がもっとも期待できる方法として「フッ素(フッ化物)入りの歯みがき剤を使うこと」と世界保健機関(WHO)にも認められ、定められた安全基準をクリアしたすぐれた歯みがき剤が、世界の国々で積極的に使われています。   歯みがき剤にとっての大きな転機は、むし歯予防に効果のあるフッ素(フッ化物)が配合されたことでした。   フッ素配合の歯みがき剤の市場シェアが上がるにつれ、むし歯予防効果の恩恵を受ける人が増え、市場シェアの拡大と軌を同じくして、日本でもむし歯の罹患率が大きく下がりました。朝晩歯をみがくという、誰もがしている習慣により、口のなかにごく微量のフッ素が残って、効果を発揮したからだろうと考えられています。   ふだんの歯みがきに歯みがき剤を使うだけで、誰もがむし歯予防の恩恵を知らず知らず受けることができる。これが歯みがき剤の最大の強みなのです。   歯みがき剤に有効成分が入っていなかった数十年前の歯科では、「歯みがき粉はなるべく使わずに歯みがきを」と指導していました。その影響が残り、「歯みがき剤は歯に悪い」と思っているかたが、いまもおられるかもしれません。   しかし、時代は変わりました。現在、歯科医院やドラッグストアで販売されている多くの歯みがき剤は、厳しい基準をクリアした「医薬部外品」であり、私たちの歯を守ってくれる重要なアイテムです。この機会に歯みがき剤についての知識を深めていただき、毎日の歯みがきの予防効果をさらに高めるための、ちょっとしたコツを覚えていただければと思います。   ※小さなお子さんの適切な歯みがき剤使用量については、歯科医院や乳幼児健 診で指導を受けることが必要です。   現在、国内で販売されている歯みがき剤の90%以上にフッ素が入っており、フッ素が入っているのはもはや「当たり前」といってよい時代になりました。今時の歯みがき剤はさらに先を行き、配合されたフッ素が低濃度でもフルに働くようその機能を高めたり、再石灰化(歯を修復する唾液の働き)を促進させる機能をプラスしたり、殺菌剤を配合したりと、プラスアルファの効果を狙った製品が次々に誕生しています。   それと同時に、香味も発泡性も、ていねいな歯みがきのジャマをしないようにと、たいへんマイルドになりました。 また、患者さんからよく質問を受ける研磨剤(清掃剤)については、粒子が非常に細かくなって、歯にやさしく安全なものが使われています。近頃の歯みがき剤は、カラさもザラザラ感も、まるで気にならなくなりました。   こうした香味や舌触りへの企業努力は、日本の製品ならではだと思います。 海外旅行に行く機会があれば、外国の歯みがき剤を買って試してみてください。国産歯みがき剤の使用感の良さに気づくと思います。   こうした事情から、かつて流布されていた「歯みがき剤無用論」はまったく過去のものとなりました。安心して、タップリと(ただし小さなお子さんが使う場合は、適正な使用量についての指導を歯科医院や自治体の乳幼児健診で受けましょう)お使いいただくことをお勧めいたします。