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入れ歯に上手になれるコツ

みなさま、こんにちは。 中里デンタルクリニック、受付の下舘です。 寒くなってきましたね…。 当院では、寒さを吹き飛ばすような元気なあいさつでお迎えをいたします。   今週は、「入れ歯に上手になれるコツ」についてです。   歯を失った方にとって、最も身近な治療といえば、「入れ歯」の装着です。入れ歯は、1本だけ歯を失った方から全部の歯を失った方まで、どの歯を失った場合にも対応でき、多くの方のお役に立つ治療法です。使い慣れるまでには少し努力が必要ですが、いったん慣れてしまえば、使い方はごくシンプル。外せば簡単にお手入れができ、清潔を保ちやすいうえ調整や修理を繰り返しながら長く使っていただくこともできます。自分のお口に合わせて作られた「入れ歯」との出会いが、大切な相棒との一期一会となるように、上手な付き合い方をアドバイスをさせていただきます。   初めての部分入れ歯の場合、うまく入れられなかったり違和感から使わない方が多くいらっしゃいます。たしかに使い慣れるまでには、多少の努力が必要です。部分入れ歯の場合、クラスプというバネを、残った歯にかけて使いますので、まずその着脱に慣れなければなりません。 また、出来上がった入れ歯は患者様に実際に使っていただきながら、何度か歯科医院に通ってもらい、細かな調整を行っていく必要があります。出来上がりがゴールではなく、患者様のお口の模型の上で作った入れ歯を、実際の患者様のお口の動きに合うように、微調整して仕上げていく必要があります。 もうひとつ入れ歯を使う際に慣れていただきたいのが、お手入れ方法です。入れ歯は人工歯ですから虫歯にも歯周病にもなりませんが、自分の歯と同じように汚れます。ベタベタのプラーク(歯垢、細菌のかたまり)が付くので、清潔を保つためには毎日のお手入れが」必須なのです。 こうお話しすると、「入れ歯ってなんか面倒なんだな…」と思う方もおられるかもしれません。しかし入れ歯は、失った歯を補う治療法としては、歯を削る量が少なくてすみ、外科治療も必要ない、もっとも侵襲の少ない治療法です。これによっていろんなよい効果があるのはもちろん、将来介護が必要になった時もケアが簡単だというメリットもあります。お口の健康、そしてからだの健康のために、せっかく作った入れ歯をぜひ使っていきましょう。   入れ歯を使うと ① 見た目がよくなる 入れ歯は失った歯の代わりになるだけでなく、歯の周りのあごの部分も補ってくれます。歯を失いやせてしまったあごを補い、頬をふっくらと回復させるので、歯を失ったためにお口の周りにできるシワを減らす効果も期待できます。 ② 噛めるようになる 自分の歯にくらべれば、部分入れ歯で噛める力はおよそ1/3程度といわれています。それでも、入れ歯に慣れて噛めるお口を回復させ、「よく噛んで食べられるようになる」ことは、からだの健康や食を楽しみほがらかに生活するために、とても重要なことです。 ③ しゃべりやすくなる 歯を失うと、空気が漏れて発音しづらくなります。とくにサ行やタ行に影響しやすく、滑舌も悪くなってしまうことがあります。入れ歯を使うと、最初は発音しづらく感じますが、多く場合、使い慣れることによって回復することができます。 ④ 噛み合わせが悪くなるのを防ぐ 歯を失うと、周囲の歯はその空いたスペースに向かって自然と動きます。そのため隣の歯が倒れたり、本来なら噛み合うはずの歯が出っ張ってきてぶつかり、上下の歯が噛み合わなくなってしまったりしてしまうことがあります。入れ歯によってこうした事態を予防できます。 ⑤ 残っている歯を守る 歯の本数が減ると、噛む力が残った歯に集中してかかり、その歯に加わる負担が大きくなります。奥歯を失うと、前歯に力が集中し下から突き上げるため出っ歯になってしまいます。入れ歯を使うと、残っている大切な歯にかかる負担を軽減できます。   入れ歯との付き合い方には、コツがあります。 入れ歯は、喪失した歯の代わりに働いてくれる大切な体の一部です。使いこなすには慣れが大事ですので、焦らずに一歩一歩進めていきましょう。 4つのポイント 1、「はめる」「外す」の練習をしましょう 部分入れ歯→指で押さえずに強く噛んでいれると、入れ歯がゆがんだり壊れてしまうことがあります。一部だけ外れた場合は、無理に引っ張らず、いったん歯に戻してから外しましょう。 総入れ歯 →下あごから先に入れるほうが落ちにくいことが多いです。上あご下あご、どちらかが部分入れ歯の場合は、部分入れ歯から先に入れると落ちにくいです。 2、慣れるまでの期間(最初の2週間程度)と調整が必要です 入れ歯は、患者様のお口の模型上で製作せれているので、実際に使ってみるとキツく感じたり痛みが出ることがありますので、使い始めて1~2週間後にかならず調整を受けましょう。痛い時は予約日を待たず、医院に遠慮なくご連絡ください。調整中は試運転期間です。やわらかいものを食べて過ごしてください。(一度調整を受けて、よくなじんだ頃にもう一度精密な調整を受けると、入れ歯との相性がさらに良くなるのでおススメです) 3、お手入れ法や保管法を覚えましょう ・落とした時に排水溝に流したり壊したりしないように、水を張った洗面器などを下に置き、流水でブラシを使い磨きましょう。 ・入れ歯ケースに洗浄剤と水を入れ、つけます。歯磨き粉は研磨剤で入れ歯に傷が付くので、使いません!! 使わない時は、水を入れた入れ歯ケースに入れて保管しましょう。入れ歯が乾燥するとゆがんだりヒビ割れを起こしてしまいます。ティッシュで包むと、うっかり捨てやすいので、絶対にやめましょう!! 4、何年かに一度は補修が必要です 長く使っていると、気づかぬうちに入れ歯が傷んだりお口のほうが変化して、合わなくなってしまうことがあります。まずは、歯科医院で診てもらい不具合が拡大しないように修理してもらいましょう。   「入れ歯が傷んでいないか」「あごの骨に変化がないか」をちぇっくし、虫歯や歯周病を予防して残っている歯を大切に守っていくために、歯科医院に普段から定期的に通い、メインテナンスを受けることをおススメいたします。 (就寝の際は、入れ歯を外して歯ぐきを休める時間をとってくださいね♬)