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がん治療と歯科の口腔ケアの関係

皆様こんにちは!! 中里デンタルクリニックです。最近寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?   今回は「がん治療と歯科の口腔ケアの関係」について紹介します。   今やがんは2人に1人がかかる病気と言われていますが、検査による早期発見、治療の目覚ましい進歩によって治る病気になりました。しかし、治療方法が進歩し強くなるにつれて合併症に悩む方も増えてきました。 ①手術では? 全身麻酔で気管に管を入れる際、歯周病で歯がグラグラしていると歯を痛めたり、抜けてしまうことがあります。 また口の細菌が唾液と一緒に管から肺に入ると誤嚥性肺炎の原因にもなります。 術後はお口の中のケアが疎かになりがちなうえ、体力が落ちると元々あった虫歯や歯周病が悪化して食事にも差し支えが出たりと、回復に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。   ②抗がん剤治療では? 抗がん剤での治療はがん細胞を徹底的にやっつけることができる反面、健康な細胞も傷つけてしまうため、細菌への抵抗力が落ちます。そのため、口内炎がとてもできやすい状態になります。 口内炎や歯周病の炎症から細菌が血管に入り込んで全身に広がると高熱が出る場合もあります。   ③放射線治療では? 頭部周辺の放射線治療では、放射線の当たった箇所がやけどのようになります。 唾液を出す腺がダメージを受けると唾液が出にくく、虫歯になりやすくなります。 また、放射線に当たった顎の骨は治療終了後も細菌に感染しやすく、抜歯が困難になる場合もあります。   では、実際に口腔ケアはどれくらい効果があるのでしょうか? 頭部周辺の放射線治療をする前に口腔ケアを行わなかった方の合併症発症率が65%に対し、口腔ケアを行った方の合併症発症率は15%という結果になりました。 また、白血病の治療は80%の方に口内炎ができると言われていますが、定期的に口腔ケアを行うことで口内炎の発症率は20%にも抑えることができます。   私たち歯科ががんの患者さんにできることは直接がんを直すことではありません。 しかし、副作用に苦しみ、治療後の回復が思うようにならない患者さんを助けることができます。 「せっかく治療を受けるのなら、やれることは何だってやって病気を治していただきたい。」 私たちはこんな思いで取り組んでいます。   いかがでしたでしょうか? つらい後遺症を少しでも軽くできるように歯科も様々なケアをしていますのでご安心ください。