トピックス TOPICS

生え替わりの時期の歯を守る!

みなさんこんにちは。中里デンタルクリニック.です。楽しかった夏休みも終わり、お子さんたちは新学期を迎えましたね。今年の夏もたくさんのお子さんたちが夏休みを利用して、当院に定期検診に来てくださいました。今回はそんなお子さんの歯並び・むし歯についてお話ししたいと思います。   乳歯から永久歯に生え変わる時期は実はお子さんのお口の健康にとって大変リスクの大きな時期です。   生えたての歯は軟らかくむし歯菌の出す酸に弱い上、生えかけの奥歯はかみ合わせの面が引っ込んでいます。グラグラする歯の周りには隙間ができ、プラークが溜まりやすく、歯茎はデリケートで歯磨きがとても難しくなります。生えたての永久歯をむし歯にしてしまうお子さんは珍しくありません。生えたばかりの奥歯には、深い溝があり、歯ブラシはどうしても届きません。混合歯列期ならではのリスクの高い場所にはシーラント、フロス、フッ素を積極的に使い上手に乗り切っていきましょう。ただし、困難なこの大変動期を超えれば、歯は徐々に硬く丈夫になっていきます。歯が生え揃えば、歯みがきもグッと楽になります。   また、この時期は、歯並びの問題も表面化しやすく、ご家庭だけではお子さんの歯の健康を管理するのはとても大変です。たとえば歯が大きい割に顎が小さく、歯が生えるスペースが足りないと、歯は混み合ってガタガタになってしまいます。乳歯列は、2歳半から3歳くらいで完成し、きれいに並びます。その後、5歳くらいになると、からだの成長とともに顎が大きく育ちます。すると乳歯の歯と歯の間の隙間ができてきます。歯と歯の間に隙間が空いた小学校入学前後の子ども達は、ちょっとユーモラスな独特の愛嬌がありますね。この隙間について「すきっぱになった」と心配する親御さんもおられますが、むしろ5歳前後では、隙間があるほうが正常な状態です。実はこの歯の隙間は、大きな永久歯が生えてきたときに、きれいに並ぶための大切なスペースになります。顎がしっかりと発育したお子さんには、このスペースがしっかりと確保されます。ところが近頃は、このスペースの備えのないまま、永久歯が生え替わる時期に突入するお子さんが目立ちます。歯の生え替わりはお子さんによって個性があり、早い遅いはまちまちです。生え替わりが早く進むお子さんもいれば、じっくりゆっくり進むお子さんもいます。永久歯への生え替わりがゆっくりだと心配かもしれませんが、実はゆっくりと生え替わっていくお子さんの方が、顎の成長する時間が長く確保でき、よい歯並びのためには有利です。   永久歯をむし歯から守り、歯並びの悪化を防ぐための対策を打つなら、6歳頃から始まる混合歯列期をどう過ごすかが重要になってきます。つまり、メインテナンスの開始時期は、とても大事です。できれば混合歯列期に突入する少し前の3〜4歳から、定期的なメインテナンスをはじめていただきたいと思います。歯科医院の手を借りて少しやり方を変えれば、むし歯のリスクコントロールを行うことができます。もし乳歯にむし歯ができても混合歯列期が始まるまでに口腔環境を完全できれば、生え替わった永久歯をむし歯ゼロで守っていくことも、十分可能です。乳歯列のころからお子さんの成長過程を見守らせていただくメリットは、ほかにもあります。お子さんの歯並びが将来大丈夫なのか、あるいは悪くなる兆候があるのか専門的な目で診て、問題がおき始める前に診断することができるからです。悪化が予測される場合は、成長過程を見ながらタイミングを見計らって咬合育成を開始でき、一生に一度のこの時期を、歯並びの悪化を防ぐために切り札にすることができるのです。   お子さんの成長は待ったなし。日頃から見守っていないと、せっかくのチャンスを逃してしまうケースも少なくありません。お子さんに「歯で苦労しない人生」をプレゼントしてあげましょう。