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歯根の治療はなぜむずかしい?

みなさん、こんにちは。中里デンタルクリニック.です。気づけば6月に入り少しずつ梅雨に入っていきますね。温度差が激しい日々が続いていますので、体調には気をつけていきましょう!   今回は根っこの治療についてお話ししたいと思います。   「歯が痛い」とは、そもそもは「歯の内部やその周辺で異常事態が起きている」と感知した神経のアラームが「ON」になっている状態のこと。トラブルの発生を脳に伝え、教えてくれているわけですから、それ自体は悪いものではありません。むしろ、体内で起きている異常を知らせてくれる、ありがたい警報です。ただ、鳴りっぱなしではたまりません。なんとか止まってほしい。そこで必要とされるのが歯根の治療です。   技術的には大変細かく困難な治療で、しかも治療結果は患者さんご自身の治癒力や、全身の健康状態にも影響を受けるため、成功するケースばかりではありません。しかし、成功すれば歯を残すことができ、患者さんにとって多大なメリットがあります。困難な理由としては、神経の通る根管を探し当てること。そして、見つけ出した根管は、素直に一筋に伸びているとは限りません。曲がったり、分岐したり、網目状に広がったり、複雑な形をしていることのほうがむしろ多いのです。私たちの用いる器具は、こうした根管の一部にしか届きません。細菌によっては、しつこく強いものもいます。しかしここまでの行程でしっかり殺菌できると、あとは患者様のからだの抵抗力によって治癒へと進んでいくことができるのです。ここで大変重要になってくるのが、患者様の抵抗力です。細菌を可能な限り取り除いた歯を、最終的に治癒に導いていくのは、他でもない患者様ご自身の抵抗力だからです。   一度治療しても治りきらなった場合や、クラウンの縁などからあらたにむし歯が入り込み、歯根の内部が再び細菌感染してしまった場合は再治療が必要になります。ところが、最初の歯根の治療と2度目以降では、2度目以降の治療は格段に難易度が上がり、成功率が低くなってしまうこと、ご存知でしたか?というのも、歯の中にはすでにしっかりと詰め物をしてあり、このゴム状の詰め物は細かく枝分かれした根管にも入り込んでいます。隈なく全て取り除く、ということは難しいのです。詰め物の材料自体は、悪さをするものではありません。問題なのは、取りきれない詰め物が栓のようにピタリと塞いでいて、届かせたい場所に殺菌剤を届かせることができないということ。治療にとって非常に不利で、歯内療法の専門医がやっても再治療の成功率は落ちてしまいます。   治療を重ねるごとに技術的な難易度が高くなってしまう歯根の治療。神経をとった歯の場合、よほど進行しないと痛みが出ず、発見が遅れがちです。日頃から歯科医院でメインテナンスを受け、早期発見をこころがけていきましょう。