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歯科の天敵それはタバコ

皆さんは治療のために歯科医院を受診したとき、あるいはメンテナンスに通っているとき、全医の歯科医師さんから禁煙をすすめられたことはありませんでしたか?また、お口のクリーニングをしているとき、歯科衛生士から歯の裏のヤニを指摘されたことがあるのではないでしょうか?お口の医療を担う歯科のプロたちが、全身の健康を蝕む「タバコ」の問題に、なぜかくも熱心なのかなと思いなんですね? もちろん、お口の健康は、ひいては全身の健康のためにあるものですから、歯科のプロが患者さんのお口だけでなく、からだのことを心配してもなんの不思議も本来的にはないのです。 ただ、タバコの害をめぐっては、歯科ならではの事情があることも事実。タバコは歯科にとって「天敵」なんです。 たとえば、現在日本人の成人の8割以上になんらかの症状のがあるという歯周病。タバコを吸っている方の場合、免疫機能が十分に働かないため、歯周病菌との戦いに負けやすく、症状の悪化が加速されるのです。 そしてまた、タバコは歯科の治療の「天敵」でもあります。じつはタバコを吸っていると、せっかく治療をしても、炎症が治りにくく傷口もふさがりにくいのです。そのため治療が長引いたり、思うような成果が上がらないなど、治療にたいへん不利なのです。再生治療が必要になることすらあり、すると通院回数も増えてしまいます。 デリケートで高度な治療(再生治療法など)になればなるほど、タバコを吸っているがために治療が不可能なケースが増えてきます。そうした場合、禁煙の努力をお願いすることになります。 歯科治療は、ともにするとその成果をすぐに求められる傾向が強く、タバコの害は歯科医師にとって切実な問題です。なかなか良い結果が出ないために、ときには患者さんとの信頼関係にほころびができてしまうことさえあります。   お口の中は、肺の中と違って直接診ることができ、タバコの害が分かりやすい場所です。医科の診療室よりもむしろ、歯科の診療の方が、禁煙誘導、禁煙支援に向いていると思っています。内科に行っても、熱があったりお腹が痛くてはとても話を聞く気にはならないでしょう。でも、歯科医院なら、定期検診や治療で何度か通院しているあいだに、お口のなかを患者さんご自身にも見ていただき、折にふれて禁煙の大切さについてお話しすることもできます。 また、治療のために禁煙が必要になれば、タバコをやめるチャンスをご提供できることになるわけです。 歯科医師や歯科衛生士が、「禁煙できるといいんですけどね」と折にふれてお話しするのには、こんなわけがあるのです。 いかがでしょう。そろそろ皆さんも、禁煙にトライしてみませんか?