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口腔がんを見逃さない!!

みなさんこんにちは。中里デンタルクリニック.です。いよいよ平成が終わり、令和の時代がやってきますね。そして今年は10連休のGWがあります。長期休暇になりますので、体調には気をつけてください。当院も長期休暇に入ります。お休み中もしっかり歯磨きよろしくお願いします!   今年大きな話題になった口腔がん。今回はその口腔がんについてお話したいと思います。   口腔がんとは、直接見たり触ったりでき、早期に発見しやすいがんです。ところが残念なことに、実際には、発見の遅れる例があとを絶ちません。それはなぜでしょうか。 大きな理由としては、2つ挙げられると思います。一つは「単なる口内炎だろう」と、患者さん自身が自己判断してしまうことがあるということです。粘膜の病気は多様ですので、歯科医師がしっかりと診察し、必要な場合は専門的な検査もして判断しないと、本当のところ、その原因は明らかになりにくいのです。 二つ目は、口腔がんはよほど進行しないと痛くないということです。そのため、できた場所によっては気づくのが遅れたり、口の中に「できもの」を見つけても「痛くないから大丈夫」と放置してしまうかたがおられるのです。   「口内炎」と一般に呼ばれているアフタは、食べるときにしみて痛み、とてもつらいものですね。でも、塗り薬を歯科でもらったり、薬局で買ったりしてつけるとわりとすぐに痛みが止まってラクになるのではないでしょうか。薬を塗って1週間もすると、白いポツポツが徐々に消えてくると思います。 一方口腔がんの場合、よほど進行しない限り、その見かけのわりに不思議なほど、通常痛みはありません。そして、口内炎の薬を塗っても、カンジダ用の抗真菌薬を塗っても、ちっとも治りません。「痛くない」「ちっとも治らない」という特徴は、口腔がんを疑う時の重要なヒントになります。   口腔がんの形や色には、赤くただれていたり、白く盛り上がっていたり、コブやしこりがあるなどの特徴があります。ただし、その姿は、入れ歯で擦れたり、歯に当たるなど変化しやすく、がんなのか良性腫瘍なのか、あるいは、まだがん化はしていないけれど将来がんになる可能性のある「前がん病変」なのか正確な判断は、視診では不可能です。疑わしいときには、口腔外科でがん治療の専門医による組織検査を受けましょう。   ところで皆さんは、お口の粘膜に「できもの」ができたとき、何科を受診しますか?内科を受診しても、よい塗り薬をもらえますし、対症療法は可能でしょう。しかし、もしも歯が粘膜を傷つけていることがトラブルの原因なら、その原因自体を取り除かなければ本当の解決になりません。口腔がんのできる年齢層は幅広く、さまざまな年齢層の患者さんがおられますが、患者さんが増えていく年代は、だいたい65歳くらいからでしょう。そこで少なくとも50歳を超えたら、ぜひ定期的に歯科のメインテナンスを受け、専門家にチェックしてもらって、もしものときに早期がんを見逃さないよう努めましょう。   歯科医院なら近くにあるけれど、口腔外科となると、どこにあるのかわからないという場合、まずはお近くの歯科医院にご相談ください。専門治療を行っている口腔外科をご紹介することができます。ふたりに一人ががんに罹るという時代。がんは、誰しも避けては通れない病気です。毎日をほがらかに、健康的過ごすとともに、日頃からお口のなかに興味を持ち、早期発見を心がけていきましょう。