皆さんこんにちは!中里デンタルクリニック.歯科衛生士の堀内です。
4月に入って、新生活が始まった方も多いのではないでしょうか!?季節の変わり目は体調を崩しやすいので、くれぐれもお気をつけください。
さて、今回は「歯ぐきが下がるとはどういうことか」という内容です。
歯ぐきが下がるいちばんの原因は、歯周病の進行による「あごの骨の破壊」です。歯は土台となるあごの骨に埋まるように生えています。そして歯をぐるりと囲むあごの骨にかぶさるように、歯ぐきが付着しています。
歯周病が進行すると少しずつあごの骨が破壊されて、溶けて沈んでいきます。いわば、「地盤沈下」の状態で、これに伴いあごの骨に付着している歯ぐきもいっしょに下がっていくのです。
また、歯周病で起こる歯ぐきの炎症も、歯ぐきが下がる一因です。炎症が続き歯ぐきの組織が壊されるとその付着力が低下し、あごの骨や歯からはがれやすくなります。
といっても、患者様にはこの状況はなかなか気づきにくいものです。歯周病が悪化して痛みや出血があり歯科にかけこむときはたいてい、歯ぐきが腫れて歯にかぶさるように盛り上がっているからです。その様子は健康な歯ぐきのようにも見えます。
治療では、歯周病菌のかたまりであるプラークや歯石を徹底的に取り除きます。こうした処置と患者様自身の治す力により歯周病菌の活動がおさまると、歯ぐきの腫れは消失します。
しかし、この結果、歯ぐきはあごの骨の位置にまで沈むので、歯周病が進んであごの骨が溶けて減っている場合、治療前に比べて大きく歯ぐきが下がって見えるのです。患者様によっては、歯の根が見える位置まで下がり、歯と歯の隙間が目立つようになることもあります。
歯周病治療で歯ぐきが下がることは、現段階の技術では残念ながら避けられません。でも視点を変えれば、歯ぐきの腫れがなくなったということは、歯周病菌が制圧され、歯周病の進行が止まった証拠です。この点が非常に大事です。歯周病がさらに悪化してあごの骨がほとんど失われてしまうと、歯は土台を失い抜けてしまいます。そうなると抜けた歯を補う治療をしなければなりません。最近は質の高い入れ歯やインプラントなどがあります。ですが、それらがどんなに素晴らしいものでも、噛み心地や美味しいものをいただくときの味は天然の歯には到底かないません。
だからこそ、歯を失わない段階で治療ができたことを前向きにとらえて頂きたいです。そして歯周病が進まないように、定期検診に努めていただきたいです!